電子マネー 比較 申込 e-money Japan > 電子マネー コラム・情報一覧 > 「ANA Suica カード」のスキームを考察する ANAとJR東日本が提携を正式発表 「ANA Suica カード」来秋発行 (2)

「ANA Suica カード」のスキームを考察する
ANAとJR東日本が提携を正式発表 「ANA Suicaカード」来秋発行 (2)

 

JR東日本とANAは12月6日、営業面における包括提携をすると正式発表しました。

JR東日本リリース ANAリリース

 

提携内容の一つが、「ANA Suica カード」(仮称)の発行です。提携内容は、JR東日本とANA 包括提携を正式発表 「ANA Suicaカード」発行へをご覧ください。

「ANA Suica カード」(仮称)のスキームについて考えます。リリースから読み取れることから判断しました。正式なスキームはまだ発表されていません。

「ANA Suica カード」はANAカード、ビューカード機能とSKiP、Suica機能を搭載したクレジットカードで、電子マネーEdyは搭載されません。

 

「ANAスイカビューカード」のしくみを考察するの中で、新カードはビューSuicaカードにAMC(ANAマイレージクラブ)機能を付与するという形になると予想しました。

しかし、プレスリリースの新カードのイメージをみると、予想はハズレみたいです。TypeIIカードになると思っていなかったので、TypeIIカードのことを考慮入れず、予想してしまいました。

誤解をあたえてすみませんでした。

「ANA Suica カード」はTypeIIカード?

ANA Suica カードのイメージ図リリースより

リリース内のイメージ図から、TypeIIカードタイプツー識別マークが読み取れるので、「ANA Suica カード」はビューカード機能のTypeIIカードの可能性が高いです。

TypeIIカード(VIEWカードの開放型)とは、ビューカード機能を他のクレジットカード会社に提供し、その会社がカードを発行しているカードです。

ビューカードはJR東日本が発行していますが、TypeIIカードのひとつである、イオンSuicaカードは、イオンクレジットサービスが発行しています。

ここで問題になってくるのは、TypeIIカードは、「ビュー・スイカ」カードとサービスが異なるという点です。

代表的なものは「VIEWプラス」サービスで、TypeIIカードは対象外です。

「VIEWプラス」は、ビューカードできっぷや定期券などを購入したり、Suicaにチャージしたりすると通常の3倍のポイントを獲得できるサービスです。

TypeIIカードについては、VIEWマークとタイプツー識別マークがあるカードをご覧ください。

「ANA Suica カード」の発行元は三井住友カード?

TypeIIカードの場合、「ANA Suica カード」を発行するのはどこでしょうか。

ANAカードは、ANAが発行していません。発行しているのは提携クレジットカード会社です。ANA JCBカードはJCBが、ANA VISAやANA Masterカードは三井住友カードが発行しています。そのため、ANAカードを利用するとたまるポイントはANAマイルではなく、発行会社のポイントです。そのポイントを優遇レートでマイルに交換しているのです。(JALカードは、JALの子会社の「JALカード」が発行しており、たまるポイントがJALマイルです。)

ANAはカードを発行しませんから、TypeIIカードの「ANA Suica カード」を発行するのは、第三者となります。(JR東日本が発行するのなら、TypeIIカードにする理由がわかりません)

第三者はどの会社なのでしょうか?

リリース内のイメージ図から、VISAのマークを読み取れるので、VISAブランドを発行できるカード会社に絞られます。

ANA VISAカードを発行しているのは三井住友カードですから、普通に考えると「ANA Suica カード」は三井住友カードが発行する可能性が大きいです。

すでに、三井住友カードとJR東日本は業務提携をしています。http://www.smbc-card.com/mem/company/news/news0000320.jsp

ただし、三井住友カードを含めた3社連名の発表が出ていないので、なんともいえません。

電子マネーやクレジットカードにくわしい通信・ITSジャーナリストの神尾寿氏は、「神尾寿の時事日想:JR東日本・ANAの“強者連合”はなぜ実現したか 」のなかで、

これまでANAカードのラインアップに鉄道系クレジットカード会社の提携カードはなく、今回のANA Suicaカードが初めてとなる※。SuicaとSKiPの機能が1枚に統合される利便性の高さや、ANAマイルがSuicaチャージに使える点などは、 首都圏ユーザーに対する強い訴求力になる。同じくANAカードを発行するJCBや三井住友カードにとっても強力なライバルになりそうだ。

と指摘されています。

上記のように妄想すると、「ANA Suica カード」は三井住友カードが発行すると考えられるので、三井住友カードについてはライバルになりえないと思います。それとも、発行元はJR東日本なのでしょうか。

カードのスキームについての正式発表があったらわかるでしょう。まちがっていたら、謝ります。三井住友カードよりJR東日本が発行したほうが、カード的には魅力的なんですが、、、

 

チャージ時にポイントが付かない?

三井住友カードが「ANA Suica カード」を発行するという前提で考えます。(筆者の個人的見解で、正式発表されたものではありません)

発行会社が三井住友カードの場合、Suicaへチャージする時にポイントがつかないかもしれません。

三井住友カードでは、2008年5月請求分から、「Edy」「モバイルSuica」チャージ利用分はポイント計算外になります。モバイルSuicaへのチャージには付与せず、カード型のSuicaへは付与するなんてことはないでしょうから、三井住友カードが発行会社になると、Suicaへのクレジットカードチャージの際にポイントがたまらないかもしれません。

その点、ライバルの「JALカード Suica」は、TypeIIカードではないので、Suicaへカードからチャージすると「ビューサンクスポイント」がたまり、JALマイルがたまります。

 

まだ謎が多い「ANA Suica カード」

もし、「ANA Suica カード」が予想どおりのカードなら、ライバルの「JALカード Suica」と比較すると、ポイントやマイルという面ではあまり魅力が感じられません。便利なカードだとは思いますが。

リリースの内容から妄想したので、正しいとは限りません。

カードのスキームについての正式発表はまだです。募集は2008年の秋からですから、まだ詰め切れてないのかもしれません。

様子をみたいと思います。

新たな情報が入り次第、記事にしたいと思います。

 

JR東日本とANAの提携について考えます。

 > 2 > 

 

2007年12月9日

 

ページトップへ

電子マネー 比較 申込 e-money Japan > 電子マネー コラム・情報一覧 > 「ANA Suicaカード」のスキームを考察する ANAとJR東日本が提携を正式発表 「ANA Suica カード」来秋発行 (2)

inserted by FC2 system